The Lexicon Obscura 激ムズ英単語 Vol1

The Lexicon Obscura
誰が使うんだよ、という英単語のコレクション
Vol. 1 · 奇妙な語彙の世界へようこそ
今週の珍単語たち
Vellichor /ˈvɛl.ɪ.kɔːr/ noun
感情 造語
古本屋に漂う、時間が止まったような不思議な気持ち
古本屋の持つ独特の雰囲気・感覚。何千もの見知らぬ人生が棚に詰まっており、自分とは全く異なる時代や場所から集まってきた本に囲まれる、奇妙で少し切ない感じ。
用例
“She felt a sudden vellichor as she browsed the dusty shelves, each book a universe she’d never enter.”
由来
The Dictionary of Obscure Sorrows(ジョン・クーニグ著)による造語。実は辞書には載っていない「感情の新語」シリーズの一つ。
希少度 ●●●●●
Petrichor /ˈpɛt.rɪ.kɔːr/ noun
自然 嗅覚
雨が降った後の地面から漂う、あの懐かしい香り
乾いた土や石に雨が降り始めるときに立ち上る、独特のにおい。土壌の細菌が生成するゲオスミンと、植物油が岩石に吸着したものが雨で揮発することで生まれる。
用例
“The petrichor after the first summer rain brought back memories of childhood afternoons in the garden.”
由来
ギリシャ語の「岩」(petra)と「神々の血」(ichor)を組み合わせた科学用語。1964年にオーストラリアの科学者が命名。
希少度 ●●●●
Hiraeth /ˈhɪər.aɪθ/ noun
感情 ウェールズ語 翻訳不可
存在しないかもしれない「故郷」への郷愁
ウェールズ語由来の英語。単なる郷愁を超えた感情で、実際には戻れない場所、あるいは実在しなかったかもしれない理想の「ふるさと」への深い渇望。喪失感・切望・悲しみが混ざり合っている。
用例
“There’s a hiraeth in her heart for the simpler times of her grandmother’s village — though she never actually lived there.”
由来
ウェールズ語から英語圏に輸入された概念語。日本語の「もののあわれ」に近い感性を持つ。
希少度 ●●●●●
Sonder /ˈsɒn.dər/ noun
感情 造語 哲学的
すれ違う他人にも、自分と同じくらい複雑な人生があるという気づき
道を歩く全員が、自分と同じように複雑な内面を持ち、悩み、夢見ている——その事実に突然気づいたときの不思議な感覚。あなたの人生では単なる「通行人」でも、彼らにとっては自分が主人公だ。
用例
“Sitting in the café, he was hit by a wave of sonder, realizing that every person outside had their own triumphs and tragedies.”
由来
The Dictionary of Obscure Sorrows から。ドイツ語の “sonder”(特別な)と “wandern”(さまよう)から影響を受けた造語。
希少度 ●●●●
Mumpsimus /ˈmʌmp.sɪ.məs/ noun
性格 ラテン語
間違いを指摘されても頑として直さない人、またはその習慣
誤りを正しいと指摘されても、昔からの習慣・信念・表現を頑なに守り続けること、またはそういう人物を指す。頑固さの中でも特に「知りながら誤りを続ける」ニュアンスがある。
用例
“He’s a real mumpsimus — we’ve shown him the data three times but he insists his original method is correct.”
由来
中世のラテン語ミサ典礼の誤読「mumpsimus」(正しくは「sumpsimus」)から。エラスムスがこの逸話を引用したことで広まった。
希少度 ●●●●●
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言葉は、まだ名前のない感情に輪郭を与える。
Words give shape to feelings that have no name yet.

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